ここでは足の裏、特にかかとが痛い方についてのお話をします。
かかとが痛い方の症状
かかとが痛いといっても、もちろん様々な状態が考えられはします。
今その周辺の痛みでお悩みの方は、触ると明らかにいたい箇所があり、歩き出しが特に痛い等の状態であれば、俗に言われる「足底筋膜炎」という症状である可能性が、非常に高いです。
足底筋膜炎(足底腱膜炎、足底筋膜症)とは、足の裏をかかとから足の指の付け根に縦断する筋肉が、何らかの原因で負担が大きくなり炎症を起こしている状態。
痛みはかかとから始まり、酷くなると範囲が大きくなります。
負担が続けばそれにより、かかとに棘状の骨(骨棘)ができてしまう場合もあり、とにかく痛いので、歩くのが辛くなります。
当センターにお越しの方でよく仰るのが、「朝の起きて一歩目や、長く座っていての動き出し一歩目が、とても痛い」というものです。
整形外科に行っても、病名を教えてくれて、様子を見ましょうか、もしくは手術しかないですね、としかかいわれないことが殆どのようです。
当然、放っておいて良くなることは、基本的にありません。
しかし、当センターではかなりの程度の足底筋膜炎の方でも、しっかり回復しておられます。
具体的には、あまりに痛くてレントゲンを撮ってみると、骨棘が出ているのがはっきり確認された方でも、痛みなく生活できる状態にまで回復しています。
もちろん、手術などしていません。
かかとが痛い方の原因
では何故改善することができるのかというと、足底筋膜炎になる「足底の筋肉に負担をかける理由」を、しっかりと把握しているからに他なりません。
その原因はネットなどには「強い衝撃を与え続けたから」とか「疲労がたまっているから」とか、「偏平足」「太りすぎ」などと、何かしっくり来ない一般論のような話ばかり出てきます。
確かにそうかもしれませんが、それならばもっと多くの方が、みんな足底筋膜炎になっていてもおかしくない、ということになってしまいませんか?
そうです。それらは要因の一部ではあるとは思いますが、主原因ではありません。
実は足底筋膜炎というのは、「足の過剰回内(オーバープロネーション)」というの状態が引き金になっているのです。
足の過剰回内って、初めてお聞きになった方もおられると思います。
どんな状態のことかご存じない方は、こちらをお読みください。
足の過剰回内(オーバープロネーション)について
要するに、本来強力な衝撃吸収能力を持つはずの足裏(かかと)なのに、衝撃を吸収しにくい状態(過剰回内)で使い続けた結果、足底筋膜炎という症状を引き起こしてしまった、というのが本当の原因、ということになるのです。
かかとの痛みの対策
ではどうすればよいのかというと、やはりどうしてもその「足の過剰回内」状態を正すことが、必要不可欠です。
具体的には①現状の把握②正しい歩き方・走り方の習得③関節の可動域の回復や、筋肉の使い方の学習・強化、というのが柱になります。
①現状の把握
過剰回内が問題といっても、生活習慣などにより、それがどう影響したどんなタイプかは、人により様々です。
それを把握することが、適切な回復プログラムを組むのに必要不可欠になります。
当センターでは、骨格全体の3D測定や足の圧力測定、歩き方の撮影、詳細な問診などにより、それを患者様と共有します。
②正しい歩き方・走り方の習得
過剰回内は足の使い方、特に歩き方で作られます。ということは、歩き方の改善はやはり必須です。
実は足というのは、人体の骨の約四分の一が集まっており、歩くときにはただ交互に動かせば前に進むのではなく、それらの骨・関節がどのタイミングでどう動くのか、全て決まっているのです。
言い換えれば、足の構造にあった「正しい歩き方」というのが存在することになります。
それを習得することで足は、本来の機能(衝撃吸収能力を含む)を発揮します。
当センターではこの「正しい歩き方」を段階に分け習得してもらうようにしています。
③関節の可動域の回復や、筋肉の使い方の学習・強化
今まで負担の大きい足の使い方をしていたということは、それに伴って関節の可動域は悪くなっているはずです。
そのままでは、いくら正しい歩き方を知っても、実行することができません。
そのため、当センターでは状態に合わせて、可動域を回復させる整体施術を併用してもらう場合があります。
また、それに合わせた筋力の強化も必要になるため、その方の状態にあったトレーニングメニューをお出しすることもしています。
このような形で、当センターでは多くの足底筋膜炎の方が回復しています。
もし、足の裏(かかと)の痛みでお悩みの方がおられましたら、ぜひ一度ご相談ください。